心房細動
心房細動とは?
心房細動とは、不整脈の一種で、脈がバラバラになるという特徴があります。
心房細動の心電図。脈が一定でなく、バラバラになっています。
心房細動は、普段正常な脈の人に時々出現する「発作性心房細動」と、心房細動が常に出っぱなしになっている「慢性心房細動」の2種類に分けられます。
発作性心房細動が出現すると、突然脈が速くなって動悸を自覚することが多いです。
また、心房細動が自然停止するときに一時的に脈が非常に遅くなって、気を失うこともあります。
逆に慢性心房細動の方は、常に心房細動の状態なので、特に自覚症状が無いことも多いです。
心房細動の人は脳梗塞になりやすい
心房細動が出ているときは、心臓の中で血液がよどみやすくなっています。
その結果、心臓内の左房という部屋(下図の矢印部分)に血栓(血の塊)ができやすくなり、それが心臓の外に飛んで行って脳の血管に詰まると、重症の脳梗塞を起こしてしまいます。
特に以下のような条件に当てはまる方で心房細動をお持ちの方は、脳梗塞のリスクが高いため抗凝固薬(血をサラサラにする薬)を飲む必要があります。
・心不全
・高血圧
・年齢が75歳以上
・糖尿病
・脳卒中にかかったことがある
抗凝固薬はいくつか種類があり、その方の病状を総合的に判断して選択する必要があります。
心房細動の診療に慣れた専門医に相談することをお勧めします。
心房細動の薬物治療、カテーテル治療
心房細動に対して、心拍数を抑える薬や発作を抑える薬を処方したり、カテーテルアブレーションというカテーテルを用いて心房細動そのものを起きないようにする手術治療を行うこともあります。
必要に応じて専門の病院をご紹介いたします。
お気軽にご相談ください。
文責: 循環器内科専門医 伊藤創