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脂質異常症(高脂血症、高コレステロール血症)

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健康診断で、コレステロールが高いと言われました。周りにも高い人たくさんいるし、別に大丈夫ですよね?

LDLコレステロール、いわゆる悪玉コレステロールが高いですね。これは放っておかないほうがよいと思いますよ。

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そうですか?

​あのよくテレビでやってる黒○○茶でも飲んどけばいいんじゃないですか?

うーん、それだけでは良くならないです。脂質異常症を放置すると、動脈硬化が進行し、様々な合併症を引き起こします。

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なるほど。

でも、いまひとつピンとこないですね。

​具体的にどんな病気になるのですか?

脳梗塞や狭心症、心筋梗塞などの血管が詰まる病気になりやすくなります。

​脳梗塞になると、麻痺が残ったり、寝たきりになる方もいます。

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​今は症状がなくても、そんな怖い病気になるリスクがあるんですね。

​将来、寝たきりになったらやだなあ。

心筋梗塞になると、残念ながら突然死してしまう方もいますし、治療しても亡くなってしまう方もいます。

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心筋梗塞怖いですね!

​将来のために、今から治療したほうがよさそうですね。

はい。健康寿命を伸ばすために、脂質異常症はしっかり治療したほうが良いと思います。​花園内科では脂質異常症の治療に力を入れています。いつでもご相談ください!

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よろしくおねがいします!

脂質異常症とは? 

脂質異常症とは「悪玉」のLDLコレステロールや中性脂肪が増えすぎるか、または「善玉」のHDLコレステロールが減りすぎた状態のことです。

LDLコレステロールは、肝臓で作られたコレステロールを血管を通じて体中の細胞に運ぶ役割があります。

LDLコレステロールが増えすぎると血管の壁にたまって、動脈硬化を進行させるため「悪玉」と呼ばれています。

一方HDLコレステロールは、様々な臓器で使いきれなかった余分なコレステロールを回収し、肝臓に戻す働きがあり、動脈硬化を抑える方向に作用するため「善玉」と呼ばれています。

脂質異常症は血液検査で以下のような場合に診断します。

・LDLコレステロール≧140

・中性脂肪≧150

・HDLコレステロール≦40

脂質異常症を放っておくと

脂質異常症による直接的な自覚症状はありません。

しかし、脂質異常症を放置すると徐々に動脈硬化が進行します。

動脈硬化が起きた血管は、もろく破れやすくなり、さらに内腔が細くなって詰まりやすくなります。

その結果、以下のような病気を発症するリスクが高くなってしまうのです。

​高血圧や糖尿病を合併している方は、より動脈硬化が進行しやすいです。

・脳出血、脳梗塞:脳の血管が破れたり、詰まったりすることで起こります。

・狭心症、心筋梗塞:心臓の血管が詰まってくると起こります。

・閉塞性動脈硬化症:足の血管が詰まってくると起こります。

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脂質異常症の治療 

脂質異常症を治療する目的は「コレステロールや中性脂肪の数字を下げること」ではなく、上記のような重大な病気になるのを予防することです。

上記のように脂質異常症には何種類かの基準がありますが、現在学会のガイドライン等では、LDLコレステロールをコントロールすることを最も重視しています。

​狭心症や心筋梗塞、糖尿病などの合併症がある方は、通常の基準よりさらに厳格なLDLコレステロールのコントロールが必要です。

治療の方法は、①生活習慣の改善、②薬物治療の2本柱です。

脂質異常症 高脂血症 コレステロール LDL 危険因子 リスクファクター 心筋梗塞 狭心症 糖尿病 CKD 脳梗塞 喫煙 高血圧

生活習慣の改善

食事療法

  

飽和脂肪酸を多く含む加工食品や脂身の多い肉などは控えるようにしましょう。

逆に不飽和脂肪酸を多く含む、青魚、野菜、海藻類、大豆製品などを積極的に摂るようにします。

また、甘いものやアルコールは中性脂肪を上げるので、控えめにしましょう。

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運動療法

  

エネルギー源としてカラダに蓄積されている体脂肪が使われる有酸素運動が効果的です。

例:ウォーキング、ジョギング、水泳など。

 

週3,4回程度、1回20-30分程度かけて行うのが望ましいです。ただ、無理はしないでください。

長期間継続することが最も重要です。自分の生活の中に習慣として運動を取り入れましょう。

また、病状によってはあまり運動できない場合もあるので、ご相談ください。​

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薬物治療

薬物治療は生活習慣の改善を行った上で始めるのが基本です。

薬も様々な種類があるので、患者さんごとに最適と思われるものを処方します。

脂質異常症 高脂血症 コレステロール 薬 スタチン エゼチミブ フィブラート EPA

薬を飲むことに抵抗がある方も多いかと思います。

しかし、生活習慣の改善を行った上でもコレステロールや中性脂肪が高い場合、放置するのは危険です。

​特に心臓病などを合併している方は、厳密なコントロールが必要となります。

​患者さんと相談しながら、最適な薬物療法を行っていきますので、お気軽にご相談ください。

​文責: 循環器内科専門医 伊藤創

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